黙って俺のモノになれ【下】



それからはあたしも言い合いが楽しくなっちゃって。



「これ、絶叫系だけど。さっきみてーになめてたら怪我じゃすまねーよ?」



「もう、湊叶くんっ…!大丈夫だよ。これ乗ろう」



「本当、怪我すんなよ」



「心配ありがとうっ」



「…本気で言ってんだよ」



「ふふ。分かってるよ、ありがとう。湊叶くん」



見ての通り今は言い合いなんてしょっちゅう。


それでもやっぱり湊叶くんは優しくて。


何かあるといつも心配してくれる。


今ではバイトも被れば一緒に帰ってくれる。








バイトと言えば……




初めて湊叶くんとシフトが一緒になった時は本当にびっくりしたな…。


だってずっと気になってた人が湊叶くんだったんだから。


緊張して上手くできないあたしをフォローしてくれたり、お客さんに冷たく対応してたり。


でも仕事は完璧だった。


他には………コンテストで優勝したこともあったな…。


1日一緒に過ごした日はどうなるかとも思ったけど…


結局皆も来て、いつも通り賑やかだった。








そんな湊叶くんも。














あたしを好きだと言ってくれた。










そのことに1番驚いたのはあたしで。


湊叶くんだけはないと思ってたから、


正直少しだけ疑ってしまった。








それでも──────────



「うわっ……」



「…あぶねーな。大丈夫かよ」



「ごめんね、ありがとう…」



「お前が怪我しなくてよかった」



湊叶くんの態度が、優しさが。


それを証明してる。