黙って俺のモノになれ【下】


顔を合わせる度に、冷たくあしらわれて。


無視されて。


他の皆が優しくしてくれても、湊叶くんだけはただただ怖かった。


だけどそれが少しずつ変わり始めたのは










───────────文化祭の日。














「最初は…これにすっか」



「そうだね。4D、あたし好きなんだ」



「…へぇ」








文化祭の日、湊叶くんは男の人に連れ去られそうになったところを助けてくれた。


まさか、湊叶くんが助けてくれるなんて思いもしなかった。



──『俺の“守らなきゃいけねー女”なんで』



今でも覚えてる。


湊叶くんが助けに来てくれた時の安堵感。


それからかな……


湊叶くんは少しずつ、あたしと会話をしてくれるようになった。


その頃から彼の印象は変わってきて…。


口では冷たくても、実は心配してくれてたり。


優しい笑顔を持ってることだって知った。


女嫌いだった湊叶くんの印象は、


話をするうちにどんどん最悪なイメージがなくなっていったんだ。














「こ、怖かった…」



「だから言ったんだよ。ホラーなめてんじゃねーぞ」



「別になめてたわけじゃないけど…。最近の技術はすごいんだね…」



「バカじゃねーの…」



呆れたように湊叶くんは笑う。



「次…、次行こうよっ」



「あぁ」



あたしが初めて湊叶くんに口ごたえしたのは…最近。


無意識に反抗してしまった時は、どうしようかと本当に焦った。


だけど湊叶くんは怒るでもなくそれに対抗してきて。







──────笑ったんだ。