「ありがとうございます…。そっちは4番テーブルに…」
「分かった」
桐沢くんのさりげないフォローがあるから。
スタッフ姿の彼は本当にかっこよくて、いつもの倍は女性のお客さんが多いような気がした。
来店してくる女性客のほとんどが桐沢くん目当てみたいだけど、
「このあと一緒にどこか行きませんか?アドレス教えてくださいっ!」
「…すいません。そういうの求めてないんで」
桐沢くんらしく拒否。
仕事は早くてスマートで。
正直今までで1番かっこよく見えた。
「…落ち着いたのかよ?あと1時間で休憩入るし、それまで倒れたりすんなよ」
すれ違いざまに桐沢くんにそう言われ、軽く肩を叩かれる。
「いいなー、あの子だけ」
「あの子、カノなのかな?」
「羨まし~。私らもここでバイトしちゃう~?」
途端、浴びる視線とそんな声。
「嬉しいけど人数足りてるからお断りねぇ。いつもSKYのご利用ありがとう。ね、湊叶くん」
そしてそれをやんわり断る輝さん。
……………いつの間に。
「…店にはいつでも来てください」
「そういうことっ」
桐沢くん、嫌そう…(笑)
だけど…輝さんの対応を見れば、これがいつもの光景なんだろうなって何となくわかる。
つまり、桐沢くんも楽なわけじゃないって事で。
…………………あたしもしっかりしなきゃ。



