【心音side】
文化祭から2週間──────────
今日は例の日を決行する予定です。
今の時刻は9時35分。
────コンコン
予定より5分遅れでドアをノックする音が聞こえた。
「……おはよう、ございます…」
「…はよ」
そう、今日はコンテストの優勝者…つまり桐沢くんと1日を共に過ごす日です…。
「とりあえずあの、どうぞ」
「…お邪魔します」
この日だと知らされたのは2日前の木曜日。
真人(マコト)が急に言い出した事だった。
それから何だか妙に落ち着かなくて…。
そのまま今日が来ちゃいました…。
「えっと…どうしますか…?」
桐沢くんとできる事をこの2日間で色々考えてみたけど…、実際何もなくて…。
それにもしかしたら来ないかも、とか思ったけど、こうやって来てくれたし…。
一体、どうしたら─────────!
「…あのさ、何考えてるか知んねーけど。別に何もしなくていい。お前はいつも通り適当にくつろいどけ」
「で、でも………」
「いいから」
そう言われても、あたしの部屋に来てもらっておいて放置は出来ない…。
「……本当めんどくせぇな、お前。分かったよ。そんなに嫌ならテレビでも一緒に見てりゃいいんじゃね?」
「はい。それなら……」
「…つっても、今の時間何もやってねぇか」