「起立!」


ガタッと日直の声で皆が立ち上がる。


「ね〜帰りアイス食べに行かない?」


「行く行くー!アンタのおごりね!」


「えー!?」


キャハハ、と笑い声で溢れる教室。


窓側の席で、私は空を見つめる。


7月の初め。


今の時期は、青空が映えるから、私は好き。


あ〜あ。


今日もつまらない程いつもと同じ、


高校二年生の日常の始まりだ。


「おはようございまーす」


席に座る。


ゆるいこの雰囲気は、学校独特だ。



「みーれいっ」


誰かに背中を小突かれ突っ伏していた頭を上げる。


「何よぉ」


前の席から私の背中を小突いたのは
親友の奈倉梨花(なくらりんか)。


セミロングの私と違い、
ロングヘアでくりっとした目は愛らしい。


「今日転校生が来るって!」

「へぇ〜」


性格も、サバサバしてる私と違い、
いつもニコニコしてる、明るい子だ。


転校生…か。
少し興味が湧いた。
毎日毎日同じ事の繰り返し。


いつしか私はそんな日々に
飽き飽きしていた。


転校生が来るならそれなりに楽しくなる…かな?


その後梨花と他愛もない話をする事、
数分。


ガラッ

「お前ら転校生を紹介するぞ〜」


担任の向井先生の言葉に
待ってましたと言わんばかりに
「お〜!!」

と皆が歓声を上げる。