「あの~鳴海花ちゃんいますか?」


ほぅらきたきた。ニヤリ、と笑う俺。


とは、対照的な澄まし顔の宗。



廊下で、メガネをかけた一見、優等生真面目くんが顔を覗かせた。



対して花ちゃんは、きょとんと首を傾げて不思議そうに、手をあげる。


「はい。わたしです。」



「あの話があるので、お願いします」



『おい、いいのかよ。花ちゃん行っちゃうよ?』



慌てることなく、チラリ、と花ちゃんを見た宗はため息をこぼすと、立ち上がり廊下にいる花ちゃんと男の間に入った。



躊躇わず。