『宗司はん、見て見て綺麗なお花だよ』


まだ、あどけなさが残る少女は、フワリと微笑む。


綺麗な黒髪の長い髪がユラリと揺れた。



「綺麗な花ぢゃな。もっとよく見せておくれよ」

男の子は、少女の手を掴み顔を覗き込む。



『私ぢゃない、この花ぢゃ』


少女は、顔を赤くしている。


そんな少女に、男の子は笑った。


「おいには、目の前のこの花しか見えん」


グィ、と近づくと、真剣な顔つきで少女の手を取った。



そして……

手の甲にキスを落とす。