「.........」


「アイツ、最近どうしてる?」


徳永くんに聞かれ、私も俯く。


そして、静かに首を横に振った。


「......そっか」


私の表情を見た徳永くんが、小声で呟く。


「やっぱ......ダメか」


「......うん」


「実はさ、白石さんにお願いがあって来たんだ」


私は、お願い?と眉を上げる。


徳永くんは大きく一回頷いて、話し出した。


「真田をさ、グラウンドに呼び出して欲しいんだ」


「え?」


「多分、てゆうか、絶対、俺ら部員が言っても話し聞かないと思うんだよね」


「.........」


「試合のことで話したいことがあるのに、アイツ、完全に俺らのこと避けてるからさ」


徳永くんの、絞り出すような声が、聞いていて痛々しい。


気持ちがすごくわかるから......。


わかるんだけど、私は、力になれそうもないよ......。