夜の景色は結構好きだ。 真っ黒だけど、所々に光があって、上を見れば月があるから。 いつもは賑わう商店街だけど、夜は誰1人として歩いていない。 ここだけ、世界から切り離されたみたい。 なのにそんな雰囲気をぶち破るのはいつも隣にいる彼のバイクの音だった。 「類‼︎ なに、家から出てんだよ。 今が何時か分かってんのか⁉︎」 私はブレザーのポケットからスマホを取り出し、時刻を確認する。 「えっと12時半?」