「紗也も歩き回ってないで部屋に戻って、宿題しなよ」 蓬條依良は目を閉じながらも部屋の中を歩き回っている妹の行動を理解し、声をかける。 「分かってるよー、もう!」 頬を膨らませて、私たちの方に来た紗也様は私の手を掴んだ。 「篠田さん、宿題教えて」 「え、私がですか?」 「うん」 笑顔で見上げてくる彼女の姿に断れず、頷いてしまった。 玖下さんも教えてあげることを反対はしなかったから私は紗也様と二人で部屋へと向かった。