白い雪が降り積もるように



「だからって、何故!?アンタには関係な──」




「蓬條のせいであんなことになったんだ。人生で一番幸せなときを奪ったんだから、これくらいはやるよ。それに──」




「それに?」





「今の俺は君に少しでも良いところを見せたいんだ。じゃないと、君は俺を見てくれないだろ?」




彼は短くなった私の髪に触れると、優しくすいた。




その手はまるで、私を愛しいというかのように優しい。




そんなことを彼がすると思わなかったから顔に熱が持っていく。





私の反応が満足だったのか、蓬條依良は髪から手を離して歩き出した。




「何なの、もう……」




こんなことされたら、ますます好きになってしまう……。




彼が触れていた髪に触ると気恥ずかしくなった。




その後、お姉ちゃんの病院に戻った私は拓実さんと話し合って、蓬條依良の話を受けることにした。




拓実さんも嬉しそうだったし、何より私がお姉ちゃんのウェディングドレス姿を見たかった。




その式が終わったら延命治療を止めることも拓実さんと決めて、主治医にも話した。