白い雪が降り積もるように



そこはもし脳死・心停止状態になったときの臓器や眼球の移植の同意書になっていて、移植する臓器や眼球の全てに○がついていた。




自署の丸っぽい女の子らしい文字は確かにお姉ちゃんのものだった。





「春陽がこんなことになる前、身体が弱いからいつこうなっても良いように書いてたんだ。自分の臓器が使えるか分からないけど、使えて生きられる人がいるならって……」





拓実さんの目が潤んでいた。




私はベッドで眠ったままのお姉ちゃんを見た。




優しくて、綺麗で、穏やかだったお姉ちゃんだからそうするとは思っていた。





「お姉ちゃんらしいね……」





溢れそうになる涙を拭った。





「うん。でも、心残りなのは春陽の花嫁姿が見れなかったことかな……」





九月に結婚式をあげる予定だったお姉ちゃんと拓実さん。




でも、あの事件でその式は中止になってしまった。




拓実さんは今でもお姉ちゃんを愛してくれている。




その証拠に彼の手にはお姉ちゃんの指にはめられている指輪と同じ指輪がはめられていた。