「どうして、こんなことをしたんですか?それに、これだけの傷、いつから……」 「……律生を……弟を殺してからだよ」 「え……」 「……この傷は弟を殺してから弟が夢に出てきた回数だよ」 消えてしまいそうなくらい弱々しい玖下さんの声。 玖下さんの弟さんが亡くなったのは半年前。 それにしたって、この傷は多すぎる。 まるで、毎日夢に出てきているみた──。 そこで、私の思考は止まった。 思考が憶測ではなく、確信に変わったからだ。