「大丈夫、良威?私が好きとか熱あるの?」 良威の額に手を当てて熱を測ると、全然熱くない。 すると、良威の額に触れていた私の手を掴む。 「……熱なんてねぇよ」 「確かに熱はないね。でもさ、冗談でしょ?私と良威は協力者にしか過ぎな──」 「お前はそうかもしんねぇけど、俺は違う」 そう言った良威の顔は真剣そのもので、嘘を言っているようには見えなかった。 それでも、私は良威が私を好きなんて信じられなかった。 それに、私は良威をそんな風には見れない。 だって、私は他に好きな人がいるから。