蓬條依良の部屋から戻った私はベッドに入り、上を見つめていた。 秋葉は私を恨んでなどいなかった。 その事実が私をどれだけ救ったか分からない。 それに、蓬條依良への気持ちが変わった今、私が此処にいる理由はない。 これ以上彼の優しさに触れて、苦しむなら私は蓬條のいるべきではないのかもしれない。 「どうしよう……」 悩みを惑わして、寝ようと布団を頭まですっぽり被った。 ふと、外から物音がする。 ベッドから出て、窓の外を見ると、そこには降りしきる雪の中に立つ良威の姿があった。