翌日。




しばらく忌引きを貰った私は自室の部屋で何もせずに、ボーッとしていた。




蓬條依良への気持ちに気づいてしまった今、復讐を遂行することは出来ないだろう。




彼を殺すことは蓬條紗良の悲しみに繋がるけど、同時に好きな人を失って、私自身も苦しむことになる。




「もうどうしよう……」




答えが出せなくて、抱えた膝に顔を押し付けた。




はっきり言って、恋がこんなにも煩わしいものだと思ってもみなかった。




誰かを好きになって愛し合うことに憧れていなかった訳ではないし、恋をしたことがなかった訳でもない。




でも、その機会がなかっただけだ。



すると、視界を髪の毛が遮る。