「秋葉ちゃん、止めるんだ!」
彼は秋葉が次に何しようとしているか察して駆け出すけど、遅かった。
秋葉の身体は傾き、重力に引かれるように下へと落ちていく。
鈍い音と共に、悲鳴が聞こえた。
蓬條依良は窓に駆け寄って下を見下ろすと、病室を出ていった。
目の前で起こったことに頭が混乱している。
足に力が入らなくなり、その場に座り込む。
「あ、き……は……?」
窓の傍にはいつも秋葉が座っていた車椅子が置かれている。
そして、何度も脳裏で繰り返される秋葉が自ら身体を投じた光景──。
「秋葉……秋……うあぁあああああぁぁあぁぁああッッッッッッ!!!!!!」
口を慟哭が裂いた。



