「お願いされなくて良いから」
「いや、頼まれたことだからお願いされとくよ。でも、あの子に何かしてあげたいな」
「結構。誰のせいでこんなことになったと思ってるの?」
「蓬條のせいだけど、事の始まりは君の父親だからね」
「う……」
痛いところを突かれ、私は言い返せなくなる。
蓬條依良って意外とドSなのかな……。
口ごもる私の姿が面白かったのか、彼は笑っていた。
「秋葉ちゃんが待ってるだろうから戻ろうか」
一頻り笑った彼は中に戻るドアを開け、私に先に入るようにして促してきた。
そんなことをされたのは彼と出会ってから初めてされたことだから、何処か気恥ずかしい。



