「依良、一人で来たんだよな?」
「二人で……話したいっ……て言ったの……は律生でしょ……」
「そうか……、そうだよな……」
息を切らしながらそう答えると、律生は自嘲気味に笑った。
次の瞬間──。
俺は律生に押し倒され、首に手をかけられた。
一瞬何が起きているか分からなかったけど、息苦しさを感じて状況を把握する。
律生が俺の首を絞めていることに──。
「り、つき……」
首から上が池の方に出されているせいか、重心がより首にかかっているように思える。
何故、律生はこんなことをする?
苦しみで閉じていた目を開けると、目の前の律生の顔は狂喜に満ちていた。
まるで、俺を殺すことが楽しみだったかのように──。



