白い雪が降り積もるように



「いい加減、自分を責めるのは止めろ。アイツが死んだのはお前を裏切ったからだ。お前も摂紀も──」





「悪くないって?だったら、何故律生(リツキ)は俺を裏切った?俺がいなかったら、律生の人生は狂わなかったし、玖下にも弟を殺させずに済んだ」




周さんの言葉を、彼は苛立っているのか低い声で遮った。




私は彼らの会話を聞いて、驚く以外出来なかった。




頭の中がぐちゃぐちゃだった。




裏切りと聞き覚えのない≪律生≫という名前の人物。




その≪律生≫という人物が玖下さんの弟。




そして、玖下さんがその人物を殺した。




あまりにも理解しがたい会話に頭を混乱させていると、蓬條依良はベッドから立ち上がった。






「それに、あそこは律生との思い出がありすぎる……」




悲しげにそう言い残して、彼は部屋から出ていってしまった。





追いかけるべきかと悩んでいると、アリスさんと周さんは困ったようにため息を吐く。