「何故……」



握られていた手紙がクシャリとシワが寄り、目の前が涙で滲む。



その直後、口から慟哭が漏れた。




お父さんは騙されたと書いていた。




何故、お父さんは騙されなくてはいけなかったの?



何か悪いことをしたの?



何故、死を選ぶしかなかったの?



父の無念を手紙で、本人が死んでから分かるという自分の鈍感さに腹が立つ。




それと同時に《大企業》への憎しみの感情が沸き上がってくる。