元カノがめんどくさい

「え〜、それじゃあ!
親睦を図って、愛すべき鍋を楽しもう!
乾杯〜!」

会の始めに、そう音頭をとった遥さん。


もうひとつの目的だったはずの、看病のお礼については触れられず…

奈々に今回のいきさつを話してなかった僕としては、ありがたかった。


きっとそれは遥さんなりの配慮で…

鉢合わせしたあの時、もしかしたら今も不安だから。
同じ立ち位置の奈々もそうならないように、気遣ってくれたんじゃないかと思った。

だとしたら、なんていい人なんだろう。



しかも。
しっかりフォローする、の宣言通り…


「奈々ちゃん、ホタテ食えるっ?」

「はいっ、大好きですっ」

「よっしゃ!たーんと食いなっ?
あとほらっ、塩バター鍋と言ったらポテト!あっ、椎茸も旨いぞ〜」

「ああっ!入れすぎですっ…
あ、でもっ、ありがとうございますっ」

山盛り状態を前に、笑い出す奈々。


どって事ない気遣いだとしても。
遥さん特有の気さくな雰囲気と、そのフレンドリーさが功を奏して…

奈々は楽しそうだ。




やっぱりこの鍋パは、山口さんの胸を痛めつけるパーティーだ。

いっそ嫌な人だったらよかったのに…