「それに…

肝心な時だと、嫌でも断れないじゃん?」


キミって人は…

あぁもう、つくづくめんどくさいっ!


「あのさ!
肝心な時に頼ってもらえないと、いつも助けてる意味ないでしょ!」


「っ、はあっ?
いつも助けてるって、恩着せがましくなぁいっ?」


はいはい、すみませんね!

「とにかく!
ピンチの時は遠慮しなくていーから!

とりあえず、そっち行くからなんかいるもんはっ?」


「っ…

…あり、がと。
じゃあ遠慮なく感染す」


「いやそれは勘弁して下さい」

なんて言いながらも…


キミが治るならそれでもいいよ。

会話の合間に咳込んでる彼女が、いたたまれない。



けどやっぱりマスクは買って行こう…
キミの部屋にそんな気の利いた物があるワケないのはわかってる。




そんな調子で。
今度は僕が、栄養ドリンクやら元カノが大好きなゼリーなんかを持って行く事に。

それと、まともに食べてないらしい彼女のために雑炊の材料も買って…

1人暮らしのその部屋へと向かった。