「じゃあ、特製コーヒーで…」

要は勧めてくれてるんだよね?
それは行っとかなきゃダメでしょ。

すごく気になるし…


すると清松さんは、天使の笑顔でふふっと笑った。


なにその悩殺的な笑顔わ!

ヤバいでしょ、これは…



「実はその特製コーヒー、石原事務長が趣味で焙煎したものなんです。
ぜひ感想を、話題に取り入れてみて下さい。

商談の足がかりになるかと思います」


「え、あ…
ありがとうございますっ」

うわ、その行動までなんて天使!


どっかの誰かさんとは大違いだ。



なんにしても、今日はついてる。
憧れの天使に名前を呼ばれて、笑顔をもらえて、助け船まで出してもらえたんだから。

あとは商談がうまくいけば、文句なしに。




だけど天使はドジっ子だった。


「っ、ああっ!!」

「ぅわ、あっつ!」


まさかの、何もない所でつまずいて!

僕は上半身にコーヒーを被る。


やっぱり、欲張っちゃダメなんだな…