「僕だってそうだよ。
けど…

たとえ壊れたって、キスしたい」

そう囁いて、再び唇を奪いかけたその時。


「ねっ、その前にお腹すいたんだけどっ」

またしても妨害する恐るべきキーパー。


いや、ちょっとは甘い流れに身をまかそうよ!

でも結局、僕がキミに流される。


「じゃあ今日は…
司沙の手料理が食べたい。

だって僕のためには1度しか作ってくれなかったから」


「なにそれヤキモチ?
う〜っざ!」

なんてケラケラ笑って…


酷くない!?

だけど拗ねると、キミは照れくさそうにカミングアウト。


「まぁ、ぶっちゃけさっ?
1回目で失敗しちゃったから恥ずかしかったんだよね…
だから猛特訓したんだけど、それがバレるのも恥ずかしくてさっ」


そうだったんだ…

てゆうか猛特訓したんだ?


確かにあの塩バター鍋は絶品だったし、下ごしらえもキレイで完璧だった。


そんなキミは、やっぱり不器用にいじらしい。