「集合ー!」
「あれ?集合だって」
「え〜もう終わり?」
部長の声によって集まる部員たち。
その真ん中にあるのは…
「スイカ?!」
「ああ!スイカ割りをしようと思ってな」
「初めてする…!」
一気にみんなの目がキラキラと輝き、更にテンションが上がる。
「じゃあ…誰かやりたい人は…」
「慎之介でいいんじゃね?」
「俺か?」
昴のその申し出に誰も反対する人はいなかった。
満場一致で部長に決定。
「じゃあつけますよ」
まーくんが部長に目隠しをつけてゲーム開始。
「前!もっと前です」
みんな口々に部長をスイカに誘導する中。
「もうちょっと右…」
「左!」
「左か?」
昴だけ少し違った声かけをした。
…ん?
「いや右です!」
「なんだなんだ、行きすぎたか?」
部長がそう言う頃にはさっきよりもスイカから離れていて。
「昴〜…?」
部長に聞こえないよう小声で怒りを表してみてもケロッとした表情で
「しーっ」
なんて言う。
おまけに嘘の誘導は続いて、部長は遠く遠く離れていってしまう。
「もっと後ろ!」
「え?なんか変じゃないか?」
「大丈夫大丈夫!」
一際大きな声を出すもんだから、私たちの声は部長に届かない。
「そこ!」
「よっ!」
昴の言うままに棒を振り下ろした部長は、その手になんの感触も掴めなかったことに悔しそうに目隠しをとる。
「あっ?!」
それでも、スイカは近くにあると思ってたんだろうな。
そりゃそうだ。こんなに離れてるなんて思いやしない。
「しーんのすけー!」
「すーばーるー?」
まるでイタズラ大成功とでも言わんばかりに、追いかけてくる部長から逃げまくる。

