「おはようー」

「ああ、おはよう」





翌日会ったまーくんはマスクをつけていたけど体調は大分戻っているようだった。





「誠!大丈夫か?」





部室へ行くと向川部長がまーくんの肩をがしっと掴む。





「だ、大丈夫です…!」





少し困りながら何度も首を縦に振る。


その返事を聞いていた部長は、そうかそうかと嬉しそうに笑った。


今日はまーくんの体調を考慮しながらの練習になったけど、みんな真剣に取り組んだ。





「お疲れ様、今日の部活はこれで終了だ。
この前も言ったが明日は休みになるから間違えないようにな?」





そうだった。明日は学校も部活も休み。

久しぶりの休日だ!


隣を見るとかえで君もキラキラとした目でこっちを向いている。


でも何か…反対側からも視線を感じる…?


その勘は当たっていたようで靴を履き替えている時に昴がやたら大きい声で話しかけてきた。





「なあ!明日どっか行こうぜ!」

「え、っと…」





ちらっとかえで君の顔を見る。





「鈴姉ちゃんは俺と出掛けるんだよ!」





まだ昴を良く思っていないようで威嚇するような剣幕がある。





「じゃあ、俺もついていく」





だけど、こっちも全く負けていない。


今にも何かが始まりそうな雰囲気だったので私は昴が来ることを了承した。





「えぇ…
鈴姉ちゃんと2人で出掛けられると思ったのに……」

「ん?」





あまり上手く聞き取れなくて聞き返すと、かえで君は少し頬を赤らめて





「ううん!何でもない!」





と言うので私も大して気にせず、ごめんねと謝った。