文化祭が終わって少し経った今日。

帰ろうと下駄箱を開けた瞬間に1通の封筒が足元に落ちてきた。


『鈴へ』


差出人はあかりだった。


あかりとは全く話してもいないし、目さえ合わせていない。


気まずい、ひびが入っているような雰囲気。


そんなあかりが、どうして手紙なんて…?


その場で封筒を開けて中身を取り出す。


『私、鈴に謝りたくて…文化祭の前日のこと、本当にごめんなさい。
それに、直接じゃなくこんな手紙になってしまって本当にごめん…どうしても勇気が出なかったの。
許してもらえるだなんて思ってない。それだけ酷いことしたし言ったから…手紙を書いたのも単なる自己満足なのかもしれない。
でも、でもね…もし良かったらまた鈴と仲良くしたい。色んなことを話したいの…』





あかりの行動はショッキングなものだった。

悲しかった、辛かった。

だけど、それ以上にあかりといる日々が楽しくて前みたいになんでもないことでも喋れたらって思ってた。


あかりも私と同じように思っていてくれたことが素直に嬉しくて。





「あかり…」





気付けば熱いものが頬を伝っていた。