好きになれとは言ってない

 俺にもピュアな部分があったんだな、と自分で感心しながら、遥の話を聞く。

「あのー、なにやら、うちの会社の女子たちが、みんな、それぞれ、真尋さんの連絡先をゲットしたと申しておりましたが」
と言われ、まあ、遥ちゃんが俺が本気じゃないと思った原因は、やはり、こちらにあるかなと思った。

 でも、女の子の方からアプローチして来られて、なにも返さないなんて、失礼だと思うのだが。

「っていうか、寂しい俺に、クリスマスプレゼントなにがいい、なんて、二人とも考えなしだよね~。

 悪い知恵授けちゃうぞ」
と笑うと、遥は、

「真尋さんはそんなことしませんよ」
と真っ直ぐに疑うことなく言ってきた。

 そんな遥の顔を見ながら、

 ……ぎゅーってしたいな、と思った。

 遥ちゃんをぎゅーってしたい。

 あのミニスカトナカイだと、更に言うことないな。

 だが、不埒な妄想に入る前に、大魔王様が戻ってきた。

 大魔王というか。

 遥を守る大魔神というか。