「メ、メリークリスマス……

 わ、航さん」

 ちょっと驚いた顔をしたあとで、航は、そっと唇を重ねてきた。

 が、すぐに、玄関の灯りがついて、慌てて離れる。

 鍵を開ける音と、
「あらー、今日は騒がしいわね。
 何人で帰ってきたのー?」
という母親の声がした。

 いや、騒いでんのは、一羽だけど、と遥は足許を見下ろした。



「メリークリスマスッ!

    航サンッ!」
  



                              完