好きになれとは言ってない

 



 会計等の後始末も終わり、遥は航と二人、ロビーを歩く。

 外にはまだ真尋たちの姿が見えた。

「……課長、あんまり側に来てくれませんでしたね」
と愚痴ると、航は、

「スカートが短いからだ」
と言ったあとで、ふとコートを羽織った遥を見、

「……着替えたのか」
と言ってきた。

 何故、残念そうなんだ。

 っていうか、ミニスカトナカイのまま帰るわけないじゃないですか、と思いながら外に出た。

 寒いな、今日は、と思っていると、朝子たちと居た真尋が、
「はい、兄貴」
と何故か、鳥かごと紙袋を渡してくる。

「はいってなんだ?」
と言う航に、真尋は、

「まどかさん、明日連れてくことになってるから、今晩は兄貴が預かって」
と言う。

 航の手にある鳥かごを覗き込み、
「俺の代わりに、兄貴たちの邪魔してね。
 俺は今から、美女軍団と二次会行くから」
と言って、

「やだーっ。
 美女軍団なんてーっ」
と後ろから優樹菜にはたかれて、つんのめっていた。