好きになれとは言ってない

「二、三人はゲットしたいです」
と捕虜でも捕まえる勢いで言い出す。

 結婚できるのは、ひとりだと思うんだけど……。

 さすが、亜紀さんと並ぶコンパの女王。

 すごいな、と思って聞いていた。

 女の敵は女か。

 では、こうして忠告してくれている優樹菜はまだマシな方なのだろう。

「見てください。
 遥さん、即行、売られています」
と優樹菜が少し離れた位置に居た亜紀を指差す。

 男性陣に囲まれた亜紀は、
「ああ、遥?
 あの子は今、新海課長と付き合ってるから」
と言って、笑っている。

 ひいいいいいっ。

 航との噂を知らなかった人にまで広めているようだった。

「これでもう、みんな恐れて遥さんには言い寄っては来ませんよ。
 まあ、あそこに門番のように大魔王様が居ますしね」
と前方を指差す。

 航が、様子を見に来ていた部長と話していた。