好きになれとは言ってない

 そう言うと、真尋は少し笑った。

 わかるよ、と言って。

「俺は、土曜も日曜も。
 この先もずっと、君と居たいと思って、告白した。

 だからよくわかるよ。

 好きとか付き合うとか、確かにいろんな意味合いがあると思うけど。

 俺はただ、君と居たいと思ったから。

 そんな風に思ったの、初めてだったんだ」

 だから、叶わないとわかっていても、伝えたいと思った。

 そう言った真尋は、本当に軽く唇に触れてきた。

 遥は飛んで逃げようとして、真後ろに椅子ごと引っ繰り返る。

「遥ちゃんっ、大丈夫っ?」

「……こ、小宮さんの魔の手から、上手く逃れたと思ったのに」
とうなだれた遥に、真尋が言ってくる。

「なに、小宮の奴、遥ちゃんに迫ったの?

 任せて、遥ちゃん。
 今度この店に来たら、焼きそばにハバネロ入れてやるからっ」

 いや、それより、兄貴に言いつけるか、と言い出したので、いえ、まず、ご自分を言いつけられたらどうですか? と思ってしまった。