好きになれとは言ってない

「なに?
 それ、私も叩いてってこと?」
と大葉が笑って言うと、やだもう、と亜紀も笑っている。

 この展開……本当に嫌な人だったら、本気でセクハラだろうな、と思いながら聞いていた。

 だが、相手が大葉なので、亜紀は満更でもなさそうだった。

 みんな上手くいくといいな、と思う。

 会社のホールでは気分が切り替わらないだろうと、結局、ホテルで会場を借りた。

 会社から少しお金が出たし、そのお金で、ホールを借りたのだが、すぐにいっぱいになってしまった。

 芋の子洗うほど人が居ても、これと思う人と話が出来なかったりするだろうというコンパの達人、大葉と小宮の提案により、それ以上は増やさなかった。

「少数精鋭だよ」
と言う二人は、

「僕らは入れてね」
と言ってくる。

 すると、貴方がたは少数の精鋭なのですね……。

 ひとりは認めてもいいけど、神、小宮は今は認めたくないな、と思っていた。

 だけど……と帳簿に書き込もうとした手を止め、遥は思う。

 小宮さんみたいに、ストレートに気持ちを伝えられたらな、とは思う。

 やはり、神なのか。
 認めたくはないが。

 そして、手許を見、……お賽銭はやりたくない神様だが、と思った。