好きになれとは言ってない

 



 真尋に送られたあと、遥はひとり、部屋で混乱していた。

 さっきのなんだったんだろうな。

 唐突過ぎて、ついていけてないうえに、信じられない。

 部屋のクッションを抱いた遥は、ベッドに腰掛け、熟考する。

 真尋さん、なんであんなことを言ったんだろう。

 私のことを好きだとは思えないんだけど。

 やっぱ、あれかな?

 課長と私が最近、結構仲良しなので、今までおにいちゃんべったりだった真尋さんが、私に妬いているとか?

 どうしても、真尋が自分のことを好きだとは思えず、そんな風に考えてしまう。

 ベッドと机の隙間に、真尋のくれたあの箱が置かれている。

 なんとなく手を伸ばしそうになったが、
『それ、直前まで開けないで。
 開けたら、祟るよ』
という真尋の言葉を思い出し、すぐさま、引っ込めた。