そして、顔を近づけ、小声で言ってきた。

「遥、お父さんには、あんたの口から、課長はお父さんに似てる気がするって言っといた方がいいわよ。
 そしたら、きっと、機嫌よく認めてくれるから」

 な、なるほど……と苦笑いしながら、母親の授けてくれた知恵に感謝しつつ、

「ただいま、お父さんー」
と遥はリビングの扉を開けた。