そのあとで、
『ああ、そっと後ろをついていけばよかったのか』
と言い出したので、それはそれで変な人です、と思う。
だが、想像して、ちょっと笑ってしまった。
『家に着くまでしゃべってろ』
と航は言ってくる。
『お前の妄想話はどうせ尽きないだろ』
と言うので、妄想ではないが、今朝の夢の話をした。
すると、案の定、呆れたように、
『お前は夢もとりとめがないな』
と言ってくるので、
「じゃあ、課長の夢は筋が通ってるんですか?
課長は、どんな夢見るんですか?」
と訊いてみたのだが、何故か、一瞬、沈黙し、
『……教えない』
と言ってきた。
「……意地悪ですね」
と言ったあとで、空を見上げる。
弾みに吐き出した息が白く、もうすぐ冬だな、と実感した。
冬か。
クリスマスだな。
クリスマスコンパが終わっても、課長は、もう用なしな私に、声をかけてくれるでしょうか。
『ああ、そっと後ろをついていけばよかったのか』
と言い出したので、それはそれで変な人です、と思う。
だが、想像して、ちょっと笑ってしまった。
『家に着くまでしゃべってろ』
と航は言ってくる。
『お前の妄想話はどうせ尽きないだろ』
と言うので、妄想ではないが、今朝の夢の話をした。
すると、案の定、呆れたように、
『お前は夢もとりとめがないな』
と言ってくるので、
「じゃあ、課長の夢は筋が通ってるんですか?
課長は、どんな夢見るんですか?」
と訊いてみたのだが、何故か、一瞬、沈黙し、
『……教えない』
と言ってきた。
「……意地悪ですね」
と言ったあとで、空を見上げる。
弾みに吐き出した息が白く、もうすぐ冬だな、と実感した。
冬か。
クリスマスだな。
クリスマスコンパが終わっても、課長は、もう用なしな私に、声をかけてくれるでしょうか。



