好きになれとは言ってない

 遥の言う、白い猫が必ず居る小道を抜けたとき、月明かりの下に人影が見えた。

 突っ立ってこちらを見ている。

 自分の父くらいの歳の年配の男。

「……新海課長」

 いつか自分がリストラを宣告した男がそこに立っていた。