「困った子なのよ。
私に似て、顔も綺麗だし、身長もあるのに。
女性に興味がないのか。
真尋と違って、浮いた噂がなくてー」
おかしい……。
私に愚痴れと言ってくださったはずなのに、お義母さまが愚痴っておられる、と思いながら、遥は何杯めだか、もうわからなくなったワインを空けていた。
千佐子がどんどん呑む上に、実にいいタイミングで、真尋が二人についで来るからだ。
しかも、真尋自身はあまり呑んでいないような。
笑って二人の話を聞いているだけのように見える。
まあ、店でもいつも聞き役に徹しているようだから、こういう状況は慣れているのだろう、と思ったあとで、いや、逆か、と思う。
母親のせいで、慣れているから、店でずっと女性の愚痴を聞いたりしているのが苦ではないのだろう。
人の話を聞いていない課長とは対極に居る人だな、と思う。
課長に言わせれば、人の話を聞いてないのはお前だろう、と言われそうだが。



