好きになれとは言ってない

 





 休んでゴロゴロね、と軽くサンドイッチをつまんでいる遥をちらと見て、真尋は思う。

 頭に浮かんだのは、日当りのいい自分の部屋で休日、遥と二人でゴロゴロしている姿だった。

 なんでだろうな。

 ゴロゴロだらだらしてそうだからかな、と遥のつむじを見下ろし、ぷっと笑うと、遥が、え? え? とこちらを見たり、周囲を見たりし始めた。

 基本、挙動不審だよね、と思う。

 まあ、あの子どもの頃から、落ち着き払っていた兄貴も遥ちゃんを前にすると、挙動不審になるけど。

 そんなことを考えていると、客も減った頃、遥が言い出した。

「今日は、課長は来ないんですかね?」

「あのー、遥ちゃん、兄貴に会いたいの?
 会いたくないの?」

 大好物らしいナポリタンや焼きそばを兄貴を連想するからと避けていたくせに、と思いながら問うと、
「いやそれが、今日は、びみょーな感じなんですよねー」
と遥は腕を組んで唸る。