好きになれとは言ってない

「しっかりしなさいよ、遥」
とその背を叩く。

「なんだかんだで、課長、いい男だし。
 そういうちゃっかり女に持ってかれないようにね」
と言うと、

「ちゃっかり女……まどかさんとか?」
と言ってくる。

「まどかさん、誰よ」

「言いませんでしたっけ?
 インコです」

「何故、あんたはインコに怯えてんのよ……」

 人間としての尊厳は何処? と言ったが、
「だって、私より課長の心の近くに居る気がするんです」
と言い出す。

「……インコが?」

「インコが」
と遥は頷く。

「……あー、そう。
 まあ、そういうこともあるかねー」
といまいち心のこもっていない発言をしてしまった。

 申し訳ない。