好きになれとは言ってない

「酔うと積極的になるのは、課長だけじゃなかったんですね」
と錯乱して呟いてしまい、こら、待て、と赤くなった航に言われた。

 ベラベラしゃべるなと言いたいのだろうが。

 いいえ、貴方の方が余計なことをしゃべっています、と思う。

 すると、亜紀が、
「いいじゃないの。
 酔うとお互いが積極的になるんなら。

 っていうか、それでどうして、話が進まないの?」
と心底不思議そうに訊いてくる。

「酔いって冷めるものだからですよ、亜紀さん」
と遥が言い、

「あと、遥の家が駅から近すぎるからだな」
と航が言った。