好きになれとは言ってない





「やあやあ、遥ちゃん」

 朝子たちと外食していた遥は、戻ってきたとき、航たちと出会った。

 彼らはロビーのソファで、珈琲を飲んでいたのだが、何故か、大葉が笑って声をかけてくる。

 なんかものすごく妙な空気を感じるんだが……と思いながら、微妙な感じに視線を逸らしている航の側に行き、
「な、なにかあったんですか?」
と訊いてみたのだが、航は、

「いや、別に……」
としか言ってこない。

 なんだろう。
 嫌な予感しかしないんだが、と思いながら、遥はその場から後ずさるように逃げていった。