好きになれとは言ってない

 



「あんた、若い娘がこんなになるまで呑んでー」

 トイレに目を覚ました遥は、ついでに水を飲みに下り、母親に説教されていた。

「新海さんがいらっしゃらなかったら、どうなってたと思ってるの。
 きっと駅のベンチに寝て、そのまま留置場行きだったわよ」

 いや、課長が居なかったら、そもそも呑んでないと思うんですが、と思いながら、遥はソファに腰を下ろす。

 はい、と水を出された。

「ありがとう。
 お母さん。

 お父さんは?」
と訊くと、

「今、新海さん送ってってるわよ」
と言われる。

 うう、申し訳ない、と思っているうちに、玄関が開く音がした。

「ただいまー」
という声がして、リビングに父親が入ってくる。

「お、お父さん、ごめんなさい」
と苦笑いしながら言うと、

「いや、なかなか楽しかったよ」
と異な事を言い出した。

 ……課長と二人でなにが楽しかったのだろう、と思っていると、二人で、星の話から、UFOの話になり、UMAの話になったと言う。

 好きそうだな、二人とも……。

 父親は棚に鍵を置きながら言う。