好きになれとは言ってない

 



 で、 何故、俺はまた遥の父親に送ってもらっているのだろう。

 しかも、今日は遥も居ない。

「よく連れて帰ってくれたね、ありがとう」
と言われ、はっ、いえ、と畏まる。

 酔った遥をどうにでも出来たのに、ちゃんと家まで連れて帰ったことに対して、ありがとうと言ってくれているようだった。

 ……すみません。

 この間の夜は連れ込みかけました、と思いながら、車窓を眺める。

 不思議だな、と思っていた。

 まだ二回しか会っていない人なのに。

 こんなに緊張しているのに。

 この人と一緒に居ることに、なんだか違和感がない。

 遥の父だからだろうかな、と思いながら、窓から、また星を見た。