好きになれとは言ってない

「落ち着いた店もいいんだけど。
 明るくて素っ頓狂な店もいいよね」
と言われ、

「どんな店ですか」
と言ったのだが、真尋は、店内を見て、

「……みんなつられて表情が明るくなるみたいだから」
と呟いていた。

 振り返ると、お客さんたちはみんな楽しそうに話している。

 まあ、いつものことだと思うのだが、なんだろな、と思っているうちに、小宮が戻ってきた。