好きになれとは言ってない

 



 うーむ。
 小宮さんを連れて行くことになりましたよ。

 男の方ですが、真尋さん的にはいいのでしょうか?

 そんなことを考えながら、遥は小宮と電車に乗り、真尋の店のある駅で降りた。

 ちゃんとお店の宣伝をしなければ、とあの路地を歩きながら、小宮に場所を説明する。

 住宅と住宅の狭い場所を歩きながら、
「この路地に白い猫が居たら間違いないです」
と塀の上で寝ている猫を示して言うと、

「いや……いつも居ないよね、この猫」
と小宮が言ってくる。

「いや、それがわりと居るんですよねー」
と言っている間に、真尋の店が見えてきた。

 よかった。
 灯りがついてる。

 そういえば、この店、いつが休みなんだろうな、と思いながら、ドアを押し開ける。

「こんばんはー」
と言うと、

「あ、いらっしゃい」
と笑いかけた真尋の笑顔が一瞬、止まった。

「……誰?」
と笑ったまま訊いてくる。

 小宮を見ているようだ。