好きになれとは言ってない

 



「莫迦じゃないのー?」

 小宮を避けるためか、お昼は、近くのファストフードに、亜紀に連れていかれた。

 優樹菜も一緒だ。

 うーむ。
 これだと課長も避けてしまうことになるんだが、と思いながら、遥は亜紀に昨日の話をする。

 案の定、莫迦じゃないの? と一蹴された。

「だいたい、パワースポットってなによ。
 ただ一緒に帰りたいだけなら、課長に、一緒に帰りましょうって言えばいいんじゃない」

「亜紀さんっ」
と遥はポテトを持った亜紀の手を握る。

「目からウロコですっ!」

「……なんでよ」

「そうですよね。
 一緒に電車で帰りたいなら、そう言えばいいだけの話ですよね。

 なにかこう、運を天に任せるか、念じるかしか方法はないと思ってました」

「念じるってなに?」

 拾い上げて、そのウロコ! と言われた。