好きになれとは言ってない

 



「おはよう、遥ちゃん」

 朝、わざわざ給湯室を覗きに来た小宮が満面の笑みで挨拶してきて、遥は逃げかけた。

 亜紀が側に居たからだ。

「お、おはようございます」
と言うと、うんうん、と小宮は頷き、

「今日も頑張ってね」
とにんまり笑うので、

「……小宮さん、面白がってますね?」
と片目で睨むと、

「お昼一緒に食べようよ。
 なにかあったら、報告して」
と言ってきた。

「食べませんし、報告しませんよっ」
と言っても、笑ってそのまま行ってしまった。

「遥……」

 ひい、後ろが怖い。

「なんであんた小宮と」
と言い出したので、あのー、小宮さんはやめるって言いませんでしたっけ? と思いながらも、弁解する。

「すみません。
 昨日、課長の前で固まってるの、見られてしまって。

 私に課長に告白しろと言ってくるんです」

「は?
 今まで普通に話してたじゃない。

 なに急に緊張とかしてんの?」
と問われてしまう。