好きになれとは言ってない

 えっ、と詰まっていると、
「まあ、うまくいかなったから、僕のところにおいで。
 いつでも受け止めてあげるから」
と笑って言ってくる。

「……なんでみんなが小宮さんをいいと言うのかわかりました」
と言うと、えっ? 今っ? と言われる。

「小宮さん、素晴らしいです。
 神です。

 私もそんな風にさらっとそんなこと言って人を慰めてみたいです」

 まあ、私が受け止めてあげると言ったところで、誰も来ないだろうが、と思いながら、そう礼を言うと、小宮は、
「えっ? 慰めたわけじゃ……」
と言いかける。

「あ、着いた。

 ありがとうございます。
 では、また明日」

 さよーならーと手を振り、遥はおのれの降りるべき駅で降りていった。